ポスト・ヒューマンの最終戦争:目次
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この章の要約
トランス・ヒューマニストや「環境管理型権力」のデザイナーたちは、日々科学技術を進化させている。
今では、我々の意識や自我を破壊することで無意識的なコントロールを実現させることが物理学的に可能となっている。意識や自我が破壊された「自称人間」たちは、エピレプシーとして、「環境管理型権力」における理想の「動物」となる。我々は、この「
人間的な自我意識を破壊する方法」における一連のプロセスを「
人類総動物化計画」と称し、ネオ・サイバネティクス的な知見から観察していくことにする。
この計画策定の全貌が明らかになった時、我々は「人間」の無力を知ることになるだろう。しかしそれは同時に、ポスト・ヒューマンの限界をも物語ることになる。人間中心主義的に振舞う「自称人間」たちは、逆説的にも、非人間となってしまうのであった。だが一方でポスト・ヒューマンは、非人間的に振舞っているにも拘わらず、何故か人間化を果たしてしまうのである。詳しく観ていこう。
「人類総動物化計画」の物理学的・神経生理学的な観察
- 序論にかえて:「人類総動物化計画」とは何か
「人類総動物化計画」とは、「瞬時に全人類をエピレプシー化させること」に他ならない。ただし本レポートでは、陰謀論から距離を取っている。 - 電気刺激とエピレプシーの歴史
エピレプシー化は、脳システムに対する電気刺激を契機として可能となる。 - 理想のエピレプシー化とその方法論的アポリア
脳システムに電気刺激を与えるためには、脳の構造に電極をカップリングさせなければならない。しかしこの方法では、「動物」の動きを封じてしまう。 - サイクロトロン共鳴による脳システムの破壊
サイクロトロン共鳴に基づいた電磁波を利用すれば、上記のアポリアを物理学的に解消させることができる。 - 遠隔的なコントロールを円滑に進めるために
無意識的なコントロールを物理学的に実現させるためには、対象となる「自称人間」の現在の脳波を適切に把握しておく必要がある。そのためには、従来の「環境管理型権力」が可能としている監視・管理型のアーキテクチャが重要な位置付けとなる。
ポスト・ヒューマンの魔術師と社会的システムの闘い
- 「人類総動物化計画」に対する社会的システムの免疫
「人類総動物化計画」に代表されるポスト・ヒューマンの脱人間化プロジェクトは、コンフリクトとしての社会的システムを構成してしまう。したがって「人類総動物化計画」は、社会的システムを構成しつつ社会的システムを破壊するというパラドクスを呼び起こすことになる。 - ポスト・ヒューマンの消滅
「環境管理型権力」も、その延長に位置する「人類総動物化計画」も、失敗が運命付けられた「デザイン」に他ならない。 - ポスト・ヒューマンのパラドクス
ポスト・ヒューマンと人間中心主義者は、共にパラドクスに陥る。しかしパラドクスとは、機能不全や逆機能を物語る概念ではない。パラドクスは、確かに不確実な不安定性を構成している。しかし、だからこそ我々は、新たな発見に至るための契機を獲得できるのである。 - ポスト・ヒューマンの再生
パラドクス化するという意味では、ポスト・ヒューマンも人間中心主義者も「同じ穴の狢」だ。しかし、両者は対称的ではない。と言うのも、人間中心主義者が人間の同一性と冗長性を固持する一方で、ポスト・ヒューマンは絶え間ない差異性と変異性を構成し続けているからだ。 - 結語:ポスト・ヒューマンのデザイン論
今日、人間を論じるには、デザインを学ばなければならない。人間を「デザイン」するということは、言わば人間と非人間の区別に伴ったパラドクスを脱パラドクス化していくことなのである。
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