ポスト・ヒューマンの魔術師

「自称人間」の時代からポスト・ヒューマンの時代へ。

脳神経の「デザイン」

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『脳神経の「デザイン」』の概要

 『バイオ技術の「デザイン」』では、トランス・ヒューマニズム的なエンハンスメントには言及しなかった。と言うのも、遺伝子技術や生殖技術よりも、脳神経管理技術を利用すれば、より効率的なエンハンスメントが可能になるからである。一方、『メディア現実の「デザイン」』では、専ら無知の癒しを強調してきた。ニューラル・インターフェイス、ブレイン・コンピュータ・インターフェイス、そしてブレイン・マシン・インターフェイスは、更に効果的な無知の癒しを実現してくれる。今や我々は、人間の神経システムと脳システムを「デザイン」するに至ったのである。人間的な自我意識が如何に役立たずなのかも、この章で明らかになるだろう。

『脳神経の「デザイン」』の目次

  1. 電脳小史(1):脳神経システムに対する電気刺激
     ブレイン・マシン・インターフェイスやニューラル・インターフェイスは、従来の科学技術史の延長線上にある。フロンティアと言えど、決して不連続ではない。ここでは、主に電気刺激的な攪乱に関する技術史を遡及する。
  2. 電脳小史(2):脳神経システムに対する電磁波
     「電脳」に言及する場合、電気刺激のみならず電磁波も観察しておく必要がある。両者は機能的等価物なのだ。
  3. 電脳小史(3):監視管理装置としてのバイオ・テレメトリ
     上記の電気刺激的な攪乱や電磁波的な攪乱を形式化させるためには、バイオ・テレメトリをメディア化させなければならない。たとえば現在の脳波を情報として入手していない状況では、脳波を制御することは不可能であろう。
  4. 運動出力型のブレイン・マシン・インターフェイス
     運動出力型は、神経システム上の運動出力に関わるニューロンの形式を観察することで、外部のコンピューティング技術をアーム・ロボットの如く操作することを可能にするインターフェイスである。
  5. 感覚入力型のブレイン・マシン・インターフェイス
     感覚入力型は、脳神経システムに対する攪乱によって、無意識的に作動する身体の感覚器官の構造的複雑性を機能的に単純化させるインターフェイスである。当面は知覚の方向付けに制約されるにせよ、いずれは高次脳中枢の「デザイン」も可能となる。その暁には、意識システムの表象構成をも方向付けることが可能となるだろう。
  6. 直接操作型のブレイン・マシン・インターフェイス
     直接操作型は、上述した「電脳小史」と最も直接的にリンクする分野である。
  7. ブレイン・マシン・インターフェイスの方向性
     現状、ブレイン・マシン・インターフェイスは無意識的に作動する身体の感覚器官に照準を合わせている。しかし今後は、意識システムの表象構成にも着手することになるだろう。
  8. エピレプシー化した「自動人間」に寄せて
     「側頭葉てんかん」と「精神自動症」を観察する限り、脳神経システムはコンピューティング技術と機能的に代価可能である。これは哲学的な話でもあれば、人間科学的な話でもある。双方を両立させて考察していくべきであろう。
  9. ニューラル・メディア現実の「デザイン」
     ブレイン・マシン・インターフェイスは、低次脳中枢の「デザイン」を可能とする。この「デザイン」は、既存のメディア現実におけるハイパーメディアによる「デザイン」を「負担免除」する。
  10. ニューラル・メディア現実のポスト・ヒューマン
     ニューラル・メディア現実は、ポスト・ヒューマニティの舞台となる。

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