ポスト・ヒューマンの魔術師

「自称人間」の時代からポスト・ヒューマンの時代へ。

ポスト・ヒューマンの人間科学

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『ポスト・ヒューマンの人間科学』の概要

 ポスト・ヒューマンを論じようとする場合、哲学に没入する訳にはいかない。哲学者の言説では、ポスト・ヒューマニティを推進するトランス・ヒューマニズムまで考察することができないからだ。トランス・ヒューマニズムは、単なる哲学上の問題ではない。身体構造と科学技術の関連性を追及する学術である。この両者を詳細に論じておくのは、哲学を語るよりも優れて重要である。したがって以下からは、まずは前者の身体構造から言及していくことにする。

『ポスト・ヒューマンの人間科学』の目次

  1. 「デザイン」としてのトランス・ヒューマニズム
     トランス・ヒューマニズムをはじめとする科学技術は、人間的な自我意識を等閑視したまま発達していく。トランス・ヒューマニストの眼中にあるのは、あくまで無意識的に作動する身体の感覚器官である。
  2. 人間的な自我意識の限界を実証する認知科学の研究報告
     自我意識は、認知活動において、さして役立ってはいない。無意識的に作動する身体の感覚器官に比して、自我意識は常に事後的に情報や知識を獲得している。
  3. オートポイエティック・システムと外部環境の区別
     もはや身体構造を把握するには、人間的な自我意識を中心的に観察する訳にはいかない。ここで適切な観察を可能とするには、システムと外部環境の区別が必要になる。
  4. 神経システムと脳システムの構造的カップリング
     無意識的に作動する身体の感覚器官においては、特に神経システムと脳システムが重要な役割を担っている。
  5. 意識システムと社会的システムの構造的カップリング
     人間的な自我意識が格下げされたとはいえ、自我意識が社会的な影響力を持つこともある。
  6. 意識システムと脳システムの構造的カップリング
     自我意識は、脳や神経にも影響を及ぼすことがある。だがそれは、あくまで脳による意識への影響を前提としている。つまり、相互依存関係にある訳だ。
  7. オートポイエティック・システムとしての「意味」
     意味もまたオートポイエティック・システムである。社会的システムと意識システムは、それぞれ意味システムと構造的にカップリングしている。
  8. システムの構造の潜在性
     システムは、他のシステムの構造に攪乱を与えることができる。しかし、他のシステムの構造を自在にコントロールすることはできない。
  9. 物理的空間における生命システムと脳システムの構造
     生命システムと脳システムの構造については、三次元空間に位置する。そのため、物理的な攪乱や破壊的相互作用を与えることが可能である。
  10. 予備考察:細胞システムのオートポイエーシスと構造としての身体
     細胞システムもまた、オートポイエティック・システムである。
  11. 予備考察:生命システムの「コード」としての遺伝子
     遺伝子は、生命システムの作動を水路付けている。
  12. 予備考察:パラドクス化と接続可能性
     システム理論とオートポイエーシス理論を接続させることで、パラドクス化と脱パラドクス化の絶え間ない循環が如何にして可能なのかが、より明確となる。
  13. トランス・ヒューマニズムの観察形式
     トランス・ヒューマニズムとポスト・ヒューマンを観察する場合、脳システムや生命システムに焦点を当てなければならない。

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